このホームページと
ブログ「ギター松の一生」内の
検索ができます。↓
この社会の迷惑、以前は土日の二日間でチャッチャッと作っていたんですが、最近は、無駄に時間をかけてます。このサムシングも7月に打ち込みを始めて気づいてみたら、もう10月も半ば。ギターもそれぞれのパートを練習して、音作りをして、何度も録音しなおしました。ベースも歌も同様です。
それでクオリティが上がっているかというと、結局、最初のテイクを使ったりして、時間の長さが質の高さに全く比例していません。
でも、今回、フラットワウンド弦をRickenbacker 4003に張って弾いてみましたが、以前お話した諸説あるサムシングのベースは確実にリッケンであることを確信しました。ポール・マッカートニー卿みたいにうまく弾けてはいませんが、音は似てます。今回の成果はそれぐらいです。ビートルマニア以外の方にはどうでもいいことですね。
あと、性懲りも無くまた歌を歌っています。いつものことですが、音程が不安定なのはゴメンネ。
例によって、お前の歌なんか聞きたくない。俺が歌う、というかたはカラオケバージョンも用意いたしました。
歌詞はこちらのサイトをご覧ください。→サムシングの歌詞
同じアップルレーベルのジェイムス・テイラー"Something In The Way She Moves"に触発されて作った曲なんだそうです。私もこのジェームス・テイラーの曲をもっています。聴いてみても、曲自体は全く別物です。但し、出だしの歌詞は全く同じです。
サムシングの初期バージョンは"The White Album"の制作期(1968年)につくられたようです。しかし、リリース版のベーシックトラックは1969年の5月のはじめに作成され、それから、ギターやベースの録り直しなどを経て、8月に入ってからオーケストラとリードギターを追加録音したそうです。私の制作期間と長さはほぼ同じですね。(なに比較してんだよ!)
最初のベーシックトラックは、7分48秒もあったそうです。ジョン・ジョージともにギターを弾いていて、ジョージは左チャネルから聴こえるレズリースピーカー経由のギターを弾いているとの事、私はずっとこのギターはジョン・レノンが弾いていると思ってました。とすると、ジョンのギターはどこに行っちゃったんでしょう?
ピアノはビリー・プレストン、7分48秒も合ったサムシングのベーストラックは、後半にピアノのインプロビゼーションを中心としたインストゥルメント部分があったそうです。ザックリカットされてしまったんですね。いまでは、ピアノの片鱗は、サビの中の音が下降していくところにしか残っていません。かわいそ。
ポール・マッカートニー卿のベースは、ビートルズの曲の中でも非常に評価の高いメロディアスなベースになっています。ところが、作曲者のジョージは、このベースを評して「Too Busy.(ごちゃごちゃしすぎ)」と言ったとか言わなかったとか。確かに、ポールは、ジョージの曲のときはいつも張り切っています。目立ちたがり屋なのか、メインボーカルをとらないからなのか、単なるイジメか。(たぶん全部。)
サムシングの曲の構成としては、以前紹介したクリシェを多用した美しい曲になっています。メインのキーはCでサビはAに転調しています。
ギターのコード進行は、次の通りです。
Intro
|| F E♭ G |
A
| C | CM7 | C7 | F | D7 | G |
B
| Am | AmM7 | Am7 | D9 | F E♭ G |
以上二回繰り返したあとサビへ
| A |
サビ
| A C#m | F#m A | D G | A |
| A C#m | F#m A | D G | C |
Guitar Solo
| C | CM7 | C7 | F | D7 | G |
| Am | AmM7 | Am7 | D9 | F E♭ G |
A
| C | CM7 | C7 | F | D7 | G |
B
| Am | AmM7 | Am7 | D9 |
Ending
| F E♭ G | A | F E♭ G | C ||
間違っているところがあったら、お知らせください。
サムシングでジョージ・ハリスンが弾いているギターの情報は見つけられなかったのですが、音から想像してハンバッカーではないかと思います。前回お話したように、左チャネルから聴こえるレズリースピーカーを通したギターもジョージの演奏で、リードギターもジョージ。
レズリーは、一般にロータリースピーカーとも言われ、その名の通りぐるぐる回るスピーカーなんですね。スピーカーの向きのよる音量と音質の変化とドップラー効果による音程の変化を与えるもので、よくハモンドオルガンと一緒に使われます。ジョージはこいつをギターに使っています。
私はと言うと、Cubase5の中にも、VettaIIの中にもロータリースピーカーをシミュレーションするエフェクトがあるのですが、いまいち使い方がわからなくてあまり似た音が作れませんでした。こういう時は、さっさと諦めて自分にとって気持ちいい音を作りました。 そのCubaseのロータリーエフェクトにコーラスをかけて、それっぽいけど違う音を作りました。
ジョージが弾いているのがLucyです。
一方リードギターはと言うと、この頃、ジョージが使っていたハンバッカー搭載ギターは、1968年にクラプトンからもらった1957年製レスポール”Lucy”か、1966年頃から使っているSGかどちらかだと思うんです。音的にはLucyをフロントピックアップで弾いていると思いますが自信はありません。クラプトンの影響からかちょっとウーマントーンに似ている。ウーマントーンほどではありませんが、トーンを少し絞っている感じです。
この頃ジョージは、Fender系のアンプを使っていて、ポールと同じベースアンプBassmanをギターで使っていたという記録もあります。
で、私はうちにあるレスポール&レスポールもどきを総動員してVettaIIのBassmanのモデリングを使って、いろいろ弾き比べてみました。すると一番似ていたのが、Robot Les Paulでしたので、それを使いました。Variaxの1958年レスポール・スタンダードもいい線いっていたんですが、Robotのほうがよかった。それでも、そっくりにはならない。
間奏の部分は、もともとシャウトした歌がはいっていたらしいのですが(Anthology 3で聴くことができます。)、それをギターソロに置き換えたらしいのです。この時に、録音できるトラックはオーケストラ用の1つしか残っていなかったそうです。で、ジョージはオーケストラをバックに一発録りで即OKだったという、嘘か本当かわからない話も残っています。(伝説みたいな話が多いんです。)
あの情感を込めたソロ弾くとは、ジョージ・ハリソンは今更ですが侮れないですね。
さて、ベースはポール・マッカートニー卿で、 ビートルズの楽曲の中でサムシングでのこのプレイは評価が非常に高いんです。そして、ビートルズ好きのベースプレイヤーは、ぜひとも弾きたいプレイでもあるのです。
私も、中学の時ベース担当だったんですが、少し弾けるようになってからやっぱりトライしました。うまく弾けていたかどうか記憶がありませんが、一応、暗譜をして最後まで弾いていました。
このサムシングは、Cからはじまるメインのコード進行が1番、2番、ギターソロ、3番と4回繰り返されます。ポールのベースは、このどれひとつとして同じように弾いてはいないんです。コピープレイヤー泣かせです。最初から最後まで全部覚えなきゃいけない。
さらに、巷の楽譜の多くが、最初のプレイだけ記譜されていて、後は繰り返し記号で誤魔化されています。これもコピープレイヤー泣かせです。
で、今回、私の耳コピによるベースのTAB譜を載せました。正確さは保証の限りではありませんので、たたき台としてご使用ください。
(アイコンをクリックしてください。アクロバットリーダーが必要です。)
さて、サムシングのベースの機種は、諸説あることは以前からお話していますが、私は今回Rickenbacker 4003と先日購入したHofer 500/1 62を弾き比べて、さらにフラットワウンド弦をリッケンに張りました。結果、リッケンである事の確信を得ました。
サムシングが含まれるアルバム”Abbey Road”の頃は初期の頃とは録音技術がかなり進歩していたり、エンジニアによるいろんな工夫がされているので初期のヴァイオリンベースと音を比較してもあまり意味がありません。アルバム”Let it Be”ではヴァイオリンベースを多用していますが、初期の頃に比べるとかなり太い音で録音されています。
で、リッケンだと思う理由は、基本的には感覚的なものなんですが、決め手は2つ。
一つ目はプリッとした弾力感、これはリッケンのフロントピックアップを使ってトーンを半分以下まで絞ったときに出る音です。さらに、フラットワウンドを使うともっと似てきます。
二つ目は音の減衰です。ヴァイオリンベースもサスティーンがあまり良くない事が特徴なんですが、サムシングのベースを良く聴くと不自然なくらい早く減衰します。ドゥウン、見たいな感じ。これは、リッケンの持つミュート機構によるものだと思います。ポールはこれを利用していて、ビートルズ解散後もリッケンを使うときはこのミュートを利用しています。
この減衰感を他のベースで出すのは、はなかなか難しいんではないでしょうか?
リッケンのブリッジ。
上部左右にあるネジで調整してミュートさせます。
私も、このミュートを使いました。1弦から4弦まで均等にミュートさせることが結構難しくて、結局4弦はうまく出来ませんでしたし、今回は、全体にミュートがかかりすぎたきらいがあります。
アンプはVettaIIのFender Bassmanのモデルを使い、最終的にCubase5上でEQを使って、低音を若干ブーストさせました。自分では似ていると思っているんですが、どうでしょう?
ということで、これにてリッケン落着。
サムシングのダウンロードはこちらから Something - Abbey Road
ドラム、ピアノ、オルガン、ストリングス | MIDIの打ち込み、音源HalionOne他 |
バッキングギター | LINE6 Variax500 |
ギターソロ | Gibson USA Robot Les Paul Studio LTD |
GuitarAMP | Line6 VettaII (Model:Fender Bassman, TwinReverb) |
BassGuitar | Rickenbacker 4003 |
GuitarAMP | Line6 VettaII (Model:Fender Bassman) |
MIC | Rode NT2-A |
MIC PreAMP | ART TSP II |
Audio Interface | Edirol UA-101 |
DTM Soft | Cubase 5.5 |